話題


新「図書館」に望む

新「図書館」に望む

               坂井 淳

 

一 図書館との出会い

 

 五島に移住し、今年でちょうど十年になります。 それまでは長崎市立香焼図書館に勤めていました。

図書館の右も左も解らない私に、当時(約三十五年前)の全国の図書館の先輩がその都度教えてくれました。

香焼町は人口五千人の小さい町(面積四.六七平方キロ)ながら図書館が三館(成人図書館一館・児童図書館二館)ありましたが、町民の利用が少なくどのようにサービスをしていくべきか悩みました。

 けれども子どもの利用は多かったのです。

図書館というより「本があり、おばちゃんがいる学校帰りに寄るところ」という場、今でいう児童クラブ・放課後の子ども広場、帰り道のより場、だったと思います。

 そんな時、当時、純心女子大学の平湯文夫図書館学教授に教えを請う機会がありました。

とにかく熱心な先生で成人図書館と児童図書館を一つ(同じ建物内にありました)にして、職員も図書費も有効に使いなさい、

ということでした。そして図書館改造の話があり平湯先生に町として「計画」と「設計」をお願いしたのでした。      

 それからが「私の図書館へのつきない興味人生」が始まりました。何よりも得たものは「本の世界の面白さ」でした。というと、如何にも読書人のように聞こえますがとんでもない、

せいぜい読むのは月に十冊ほど。内容といえば「赤川次郎」の推理小説の予約(読みたい本が図書館にないときにカウンターで申し込む制度)が多ければ、その本のどこが面白いのか読む、

それまでは推理小説といえば松本清張しか知らなかったのが「へーこんな作者もいるのか」という程度で手当たり次第、利用の多い本を読むというものでした。

 それはやがて、現代の日本の図書館の開拓者である前川恒氏(元東京・日野市立図書館長)が語ったなかに「魚のことを知らない魚屋はいない。

図書館員はとにかく本を読みなさい」という世界に少しずつ近づく努力をせねば、と思い、知らされるものでした。そして当時(今から三十年程前)、

利用者から予約をされた本で香焼町立図書館にない本は長崎県立図書館に依頼しました。これが又、一大決心でした。

当時はおそらく市・町村立図書館から県立図書館に図書の依頼(相互貸借制度)を利用する図書館はほとんどなかったと思います。

昭和六十二年の市町村の図書館設置は十二館で、率でいえば県内市町村の十五%でした。(現在の自治体の図書館設置率は九十%)

図書館はまだまだ、どちらか言えば飾りのような文化施設で、どうしても必要な施設ではなかったと思います。

図書館の主たる役割も「本の管理」でした。そこへもって上記のように町立図書館から、本の予約があったので県立図書館職員はとまどったという話は後日談です。

 図書館員として「本の世界の興味」もさることながら、もう一つの興味は「人間の多様さ、面白さ」に対してです。

 勤め始めてまもなくの頃、カウンターに一人の初老の利用者が来られて「資格(何かは忘れました)を取りたいので問題集の本が読みたい」と言われました。

当時、(今もそうかもしれません)予約制度をもっともっとひろげたいとは思いましたが、どんな本でも受け付けます、というのではありませんでした。

たとえば余りにも高価な本、専門的すぎる本、コミック、そして資格問題集など。ところが予約制度が利用者の中で定着をしていないその頃(それはそうでしょう。

当時、図書館は本の管理をするところで、読みたい本があるところ、ではなかったからです。

それが突然、読みたい本を予約すれば揃えますよ、というのですから)この利用者の予約を受付ることで予約制度利用の突破口になれば、と思ったのでした。

またこの利用者が持っている雰囲気が少し、気になるところがありました。どこか、その本を準備しなくともよいが、やっぱり読みたい、という気持ちが伝わってくるのです。

それにその資格の内容が初老の利用者には年齢的にそぐわないものでした。いろいろ迷ったあげく書店に注文し「本が準備できました」と連絡しました。

そして数ヶ月後、図書館のポストに一通の手紙が入っていたのです。それは本を準備したことによるお礼の手紙でした。

美しい字(女性?の文字で、子どもさんにでも頼まれたのでしょうか)で丁寧なお礼文でした。「資格を取りました、嬉しかったです」という内容でした。

その直後です。その方が長くガンを患い、亡くなられたと人づてに聞きました。今でも、その美しい文字の文体は覚えています。

 実にたくさんの方との出会いがありました。まさしく老若男女の方々です。子ども達からも「本の力」を教えてもらいました。

ある小学生低学年の最近、転校してきた子どもが毎日、夜、図書館に来るのです。(当時、香焼町立図書館は午後八時まで開館していました)そして私の膝の上で絵本の読みきかせを楽しむのです。

お母さんは夜、勤めに出ていておじいちゃんが面倒を見てくれているそうです。読んだ本の中にこんな詩がありました。

 

おじいちゃん   いもと なおこ

 

おじいちゃん

はげちゃびんやのに

おふろに

しゃんぷうをもっていく

(『続一年一組せんせいあのね』より)

 

 この詩を読むとその子は自分の祖父と重ね、声を出して笑うのです。何度も何度も読まされ、二人して笑いました。

 また、ある地区の子ども達が、遠路のため集団登校をしており、その帰り道、図書館で地区の全員が揃うのに待ち合わせていた時期がありました。

その中に元気のよすぎる男の子が一人いました。「静かにしなさい!」と叫ぶ日々でした。ある時、思いつき『龍の子太郎』(松谷 みよ子  )を少しずつ、その子にだけ読みました。

ジッと静かに聞いてくれました。終わったらすぐ、騒いでいましたが。

子どもにはその子にあった本を選ぶことが大事だと知りました。

 二十三年間、図書館に勤め、元々悪かった右足の痛みから「これまで」と二十五年の公務員生活に終止符を打ち、定年を一年前にして退職しました。

 坂道のない、自然の多い田舎で、一定の新刊が常に揃っている図書館がある町が次の人生を過ごす望みでした。

 そして縁があって五島に来ました。

 

二 こんな新図書館がほしい

 

 以後、図書館の一利用者として新刊やこどもの本・ボランティア活動を楽しんでいます。が、少々、不満もあります。列挙すると

・駐車場が狭すぎる。

・利用できる書棚スペースが狭いせいで、図書が少なすぎる。(たとえば私は移住後、趣味で油絵を描いていますが、関連の本が少ない。

読み物にしても最近の売れ筋の作家の本はそれなりにあるが、例えば「司馬 遼太郎」「向田邦子」等のちょっと古いが、そこそこ利用がある本は開架スペースには少ない)

・この狭さで、三階(集会・学習室・お話会会場・内海文庫・書庫等)までの上り下りはきつい。

・図書館内での居場所がない、ゆっくりすごす場がない等です。

 

 現在、「新図書館基本計画検討委員会」が開催中です。

これまでに四回(平成二十九年八月二十六日現在)開催されています。

 簡単ですが五島市図書館建設についてのこれまでの経緯を述べます。

昭和三十四年十月

「ホテル翠仙閣」建築

昭和五十八年三月

     旧「ホテル翠仙閣」を福江市が購入

平成三年一月

     旧「ホテル翠仙閣」を改築し、福江市立図書館を開館

平成十四年三月

     「福江市図書館建設基本計画」策定

平成十八年七月

     「五島市図書館整備基本構想」を教育長へ答申

平成二十二年十一月

     五島市新図書館整備計画検討委員会「五島市新図書館整備基本計画」教育長へ答申

平成二十八年十一月

     五島市新図書館整備計画検討委員会設置、現在に至る

 

 今回で実に四回目の「基本計画」作成で、平成十四年に始まり、十五年の月日が流れています。今度こそ、実現を願いたいものです。

 しかし昨年九月、昔から仕事の教えを請い、励まして頂いたTさん(元福岡市総合図書館副館長)が「一度、五島に行きたい」と常々言われていたので、

観光を兼ね招待し、わが家に泊まられた時「福岡市は計画から建設まで二十九年かかったよ。僕が県職員で福岡市に図書館建設のため出向してから二十九年だよ」と言われました。

きっと、仰られなかったですが「まだまだ甘いよ~」と言いたかったのでは。

図書館建設の難しさを知っていたつもりだったが、本当は知らなかったという思いでした。

 

 さて、私は図書館に勤め始めた頃、「図書館の仕事とは何だろう」と悩みました。カウンターに立ち、新刊書を選び、書棚を整理する、それだけか?

そんな時、図書館関連の本や雑誌を読むと、必ずといってよいほど参考に出てくる本がありました。『市民の図書館』という本です。

今でも私の根っこにある図書館観のバイブルのような本です。

 その本によると図書館のサービスの基本は

① 貸出サービス

② 児童サービス

③ 全域サービス

とあります。これに別途、④地域資料サービスと⑤島づくりサービスを加え、以後、望む図書館像を追っていきたいと思います。

 

① 貸出サービスについて

 

 図書館の基本サービスは、市民に本を提供・貸出しをすることです。その為には市民の見える場所に、出来るだけ沢山の本を揃えてほしいと思います。

手の届く書棚に、わかりやすいサインと、ちょっと気軽に座れる椅子(スツールを含む)があり、新刊コーナー・話題の本コーナーなど課題別の展示などがあれば最高です。

カウンター内でも隣でもよいのですが「本の相談」ができる場所はぜひ必要だと思います。

 二年程前、長崎駅ビルのメトロ書店に行ったとき、店内を回っていて「店員さんに聞きたいな」と思うことがありました。

するとちょっと奥の方に「読書相談を受け付けます」という机があり、ベテランの店員さんがお客さんの相談を受けていました。

二~三人の方が待っておられ、私も少し待ったのですが、時間が掛かりそうなので帰りました。この原稿を書くにあたり、メトロ書店に問い合わせると、

現在は「読書相談カウンター」として入口に設置しているそうです。図書館界ではこのサービスは相談業務(レファレンスサービス)など、最近どこの図書館も力を入れていますが、

ちょっとした質問は現在の五島市立図書館でも熱心に受けてくれますが、悲しいことに職員の数が少なすぎ、カウンターに職員の方がいない状況も時々あります。

決して故意にカウンターにいないのではなく、利用者を棚に案内したり、返却本を棚に返したりされているのですが。

この「読書相談を受け付けます」というサービスが前面に出たカウンターの仕事が、図書館が市民に指示される鍵だと思います。

 

②児童サービスについて

 

 子ども達の読書の現状はかなり深刻だと思っています。

 図書館には児童書が一定揃い、学校図書館にも学校図書室が一定の充実を見られる昨今ですが、子どもの読書力は知る限り良い状況ではないと思います。

読書環境は昔と比べ本はそれなりに身近にあるが、それが余り利用されていない。特に読んで欲しい本(子どもの生きる力になり、心から楽しめる本)の利用が少ないように思います。

私には三人の孫がいます。この夏、二十日ほど小学生の二人の孫の面倒を見ました。聞きしに勝るゲーム漬けでした。

ゲーム機(DS)・ユーチューブ・テレビと、まあ、子どもにとってクーラーの中で遊ぶ、楽しいことが何といっぱいあることか。

ゲームと読書が共存すればいい、と軽く思っていましたが、とんでもない、ゲームの時間を短くすることはまさしく戦いでした。

決してメディアやITを否定するわけではありませんが、むしろ当然、必要だとは思いますが「本で調べたり、物語を楽しむ」ことが平行して何としても必要だと思います。

「子ども読書」の課題の総括や、状況分析が必要な「児童サービス」の今後については「第二期五島市子ども読書推進計画」の設置に委ねるとしても「子どもの読書」を図書館が拠点になり、

教育委員会全体、五島市全体で真剣に考えねばならない時期に来ていると思います。

 当面、学校図書支援員(現在三人)の増加や新図書館には「司書の専任児童サービス」の設置をせねば「子どもの読書」は進まないように思われます。

さらに子どもが「家庭読書」(家読=うちどくとして、いくつかの自治体・図書館で取り組まれています)を習慣化するような取組が具体的に必要だと思います。

読書ボランティアの役割が岐路に来ているような気もします。現在の主な取組は「おはなし会」などのイベントが主なのです、特に小道具などを使っておこなうと、

子ども達はとても喜んでくれるのですが、その場限りの楽しみになっている気がします。それはそれで役割があるのですが、家へ帰り、一人で、親子で絵本や読書を楽しむ、

その為の取組が別途、必要な気がします。

 

③ 全域サービスについて

 

 私は、岐宿に住んでいます。地区の集まりや、三井楽・玉之浦・第二離島の知り合いに聞く限り、ほとんどの方が「図書館」は蚊帳の外です。

時々、本好きな方や、趣味の関係で実用書を借りに行く、という方がおられます。しかし地区公民館は利用されている方は多いように思います。

 以前、香焼にいたときボランティアで市町村合併の前に近隣の町(二町)に本の整理に半年間ほど通ったことがあります。十二~三年ぐらい前でしょうか。

その時の香焼町近隣の公民館図書室の利用と岐宿公民館の利用を比較・推測すると、断然、岐宿地区の方の利用が多いのでビックリしました。住環境等が違うので一概に判断は出来ないと思いますが。

 やはり公共施設なので全ての市民が平等に、恩恵を受ける必要があると思います。最近では五島市立図書館としても図書を一定、地区公民館に寄託などして努力をされているようですが。

そこで予算の問題があるのですが、ボランティアの力も借りて

ⅰ地区公民館の余りにも古い本や、あまり利用がない本は整理(除籍)をする。(埃をかぶっている本が多すぎます)

ⅱ残った図書をパソコンでデーター化する。(大きな費用ではないと聞いています)

ⅲ現在、小・中学校図書室の図書はデーター化されていますので、この地区公民館・全地区の小・中学校図書室をオンライン化し、ネットワークで結ぶ。拠点は五島市立図書館で。

具体的には、たとえば私が今、話題の『九十歳。何がめでたい』を近場の岐宿公民館図書室に借りにいくとします。

その本がなかった場合、ネットワークで結ばれたパソコンで検索をすると、五島市立図書館にあったとします。そこで予約の操作をし、本の搬送をすると数日で手元に届きます。

 また実際に司書の時に体験をしたのですが、岐宿小学校の「調べ学習」で「ひまわりをしらべましょう」という授業があったとすると、それをネットワークで結ばれたパソコンで検索し、

五島市立図書館を始め、地区公民館図書室、他の小学校にあった「ひまわり」の本がデーターとして瞬時にでてきて、搬送をしてもらい授業にいかすということが可能です。

この時の体験では二十数名のクラス全員が出版社が違う「ひまわり」の図鑑を手渡すことが出来ました。

地区公民館・学校図書室との連携は先日、視察に行った平戸市・南島原市・諫早市などはすでに市町村合併の前後の時期に設定されていたとのことです。

このネットワークの作成は新図書館建設を待たずとも、何らかの補助金で可能ではないかと思っています。新図書館が旧の町を含め全域にそのサービスの普及をするということで、

データー化とネットワークの連携は基本の始めの一歩だと思います。少なくとも現在のところ、新図書館が建設されるまでに三年間はあるのですから。

同時に「職員」の課題がありますが、現状で可能な方法を模索する必要があると思います。

 

地域資料サービス

 

 昔は「郷土資料」といっていたのですが、最近では「郷土資料」と「地方行政資料」等をあわせ「地域資料」という呼び名が多くなってきていると思います。(図書館内用語かもしれませんが)

この地域資料の充実については今更、その意義を問うまでもないのですが、図書館法三条では

 

第三条                                  図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、

おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。

一郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料

(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の   

利用に供すること。

 

 とあります。現図書館でも目立つところに郷土資料の棚があるのですが、何せ狭すぎて、地域資料の全体像が解りません。

時々、「観光ガイド」の知り合いのボランティアの方が図書館書館内で地域資料のコピーをされているのを見かけます。

私も五島に移住をしてきたとき、まず「郷土資料=地域資料」コーナーに行きました。

このコーナーの内容についてはぜひ佐賀県伊万里市を参考にして頂きたいと思います。というのは従来の資料に加えて、

視点として「五島市の島づくり」に役立つものを意識的に棚揃えをしてほしいのです。

郷土を知る・学ぶ+郷土を作る、という視点です。現在でいうなら「島」「椿」「海洋エネルギー」「世界遺産」「教会」等々です。

そして五島独自のものとして「カネミ油症」

など。

私達夫婦は三年前から修学旅行生等の体験民泊を実施しています。他県の子どもたちとの触れあいはそれはそれで楽しいのです、体験といってもわが家では夫の得意とする「陶芸」「ピザ作り」「そば打ち」「魚のさばき」等なのです

せっかく五島に来てくれているのですから、何か「五島」の「逸品」(有形・無形の)のようなものを持って帰ってほしいのです。

夫はそれなりに五島の歴史を勉強していました。そのヒントを図書館がくれそうな気がするのです

前述した伊万里市民図書館のホームページ案内の「伊万里学コーナー」には伊万里の歴史、自然、行政などに関する資料、全国のまちづくりの資料を揃え、

4つのグループに分類して並べています。静かに調べ物のできる個人席もあります。

  また、土蔵づくりの伊万里学研究室には焼き物の資料と、 郷土史家2名の方の寄贈による前山文庫、稔康文庫があります。

 

と、あります新図書館には「内海文庫」もぜひそのまま置いて欲しいものです。

 そして新図書館には何よりも「郷土を知り、意欲のある専任職員」が必要だと思います。一見、似通った施設として、日々、努力が見受けられる「観光歴史資料館」もあるのですが役割が違うと思います。「観光歴史資料館」は展示が主たるもので、図書館は個人で学ぶための「貸出」が主です。

 

⑤島づくりサービス

 

 現在は、生活は豊かになりましたが、違った意味での「新たな生活づくり」が求められている時代だと思います。

 それはかのアメリカが建国の精神にあふれていた時代と似通ったところがあるように感じます。

なかでも建国の父といわれたベンジャミン・フランクリンが成した国造りとして、まずは学ぶことから、と会員制の図書館を設立したことに強い共感を持つからです。

 限界集落や人口問題などを考えると、先細りの将来が見えますが「自分たちの島は市民と行政がつくる」という所に立ち位置をおかねば、

それぞれの役割はあるにしても行政頼みの補助金頼みの依存した暮らしになってしまいます。決して行政や補助金が問題というのではありませんが。

 今から約三十年前、知り合いと北海道・置戸町立図書館を見学に行きました。置戸町は地場産業として林業がありました。

木を活かした「オケクラフト」(工業デザイナー・秋岡芳夫氏の師事で作成)が作られる課程として図書館が関連資料を集め「木と暮らし」コーナーを設置したことで有名でした。

図書館の目立つ場所にそのコーナーは別置の形で鎮座していました。当時の関係者や青年が利用したそうです。帰りに小さな木製の菓子用のオケクラフトを買いました。

当時で約五千円ぐらいしたと思います。今でもわが家の食器棚に古びることもなく置かれています。

 最近では図書館界で「ビジネス支援サービス」の重要性が何かと論じられますが、すでに三十年前に実践していた図書館があったのです。

 

三 最後に―貸本屋ではない、五島市の島づくりのために図書館が新館になる、というのはそれはそれで大変嬉しいことですが、多額な予算を使い、

今後も一定の維持管理費を使うことの意義をしっかりと掴みたいと思います。

単なる箱物ではない、「図書館の役割」を今一度、考えたいと思います。

 三年前に五島に商工会青年部の招聘で講演に来られた片山善博さん(元、鳥取県知事。知事時代に充実した図書館施策を実施されたことで有名)の最近の著書に『地方自治と図書館』があります。

その中で視点を自己満足度の高い生涯学習の支援から、いろんな形態の、いろんなことを考えて、いろんなことを志向している市民、住民、国民の皆さんの自立をできる限りサポートするというふうに、

モードチェンジしてもらいたいんですね

 

と、あります。図書館の使命は「市民の自立支援」だと語られているのです。それぞれの暮らしの中で、大・小の課題を図書館の情報で、本でサポートをしましょう。

学びましょう、という提言だと理解しました。そのことなしに島づくりは難しいのでは、と思っています。

その為の条件づくりを、いわば図書館の建物の中に神髄を極めたもの(本・職員)をソフトとしてどう導入するかが一番の課題だと思います。そして、更なる課題として①寄付金制度

の設置(アメリカなどの進んだ国に学ぶ)②ボランティアの活用があると思います。

 

参考資料

『地方自治と図書館』片山 善博・糸賀 雅児著

    勁草書房 二〇一六年

 

『まちの図書館』図書館問題研究会編著

    日本図書館協会 一九八一年

 

『サンフランシスコ公共図書館』悦子・ウィルソン著

    日本図書館協会  一九九五年

 

『市民の図書館』日本図書館協会編 一九七〇年

 

 


基山町立図書館見学

基山町立図書館見学

4月16日、今、何かと話題の「佐賀県・基山町立図書館」へ行ってきました。

オープン1年のホヤホヤの図書館ですが、館内はほど良い光と、利用者に優しい

レイアウトがされ、

本も一杯(開架60,000冊)で椅子も多く「ああ、これなら一日楽しめるな~」と思いました。

17,000人の人口でこの規模の図書館を作られる基山町と、市民の皆さん(市民の協力がある、と聞いています)に脱帽です。

 

館内は利用者のおられるところは「写真禁止」でした。

      この展示棚は大きな柱の周りに作ったそうです。

      いたる所で「知恵」満載でした。

                   坂井 淳


第3回『古本まつり』

今年も開催されます。

 

     第3回『古本まつり』

 

  5月28日(日)午前10時~午後3時

  場所*図書館玄関前

 

毎回大好評の古本まつりを行います。 


みなさんに持ち寄って頂いた本を安価でお譲りします。 


これにあたり、みなさんの家で眠っている本をお譲り下さい。 


絵本、コミック、小説など大歓迎! 提供された本の事後処理は主催者に一任願います。

 

収益は友の会の活動費にあてさせて頂きます。 


全集、百科事典、あまりにも古い本はお断りしますので、ご了承ください。 


本をご提供して頂ける方は、5月20日(土)までに図書館1階の階段横までお運びください。 

 


こんな記事見つけました!

2016年2月3日 図書館友の会全国連絡会

「ツタヤ図書館」の“いま”- 公共図書館の基本ってなんだ? -(2016.1.30発表)

ツタヤ図書館のいま表紙

1 この「ミニパンフレット」の趣旨

○まずは知ろう
賛否両論が渦巻く「ツタヤ図書館」が全国の自治体に広がろうとしています。そうしたなか図書館としてのあり方論議を超え、地方自治そのものが問われるまでになりました。
「ツタヤ図書館」がなぜこれほどまでに騒がれるのか?ここでは「ツタヤ図書館」の現状をごく簡単にお伝えすることで、なぜ大きな話題となっているのかを理解する糸口を掴んでもらうことを目的としています。
○調べてみよう
これを読んでさらに詳しく知りたいと思われたなら、最後に記してある参考資料のインターネットのページや雑誌、新聞などを読んでみてください。インターネットならご自宅のパソコンやスマホからでも見ることができますし、図書館のパソコンコーナーを利用するのも良いでしょう。雑誌や新聞は図書館で閲覧できます。利用している図書館に置いていない雑誌や新聞があれば、ほかの図書館から貸し出しやコピーをお願いすることができます。図書館の窓口に行って「レファレンスをお願いします」もしくは「調べたいことがあるんです」と言って「ツタヤ図書館」について調べるための手伝いをお願いすることもできます。

(以上「ツタヤ図書館」の“いま”より抜粋)

●「ツタヤ図書館」の“いま”(全文PDF)

(本文書は著作権法によって保護されています。改変および著作者表示なしの転載はご遠慮下さい。上記の趣旨ご理解の上、当会の著作権を尊重して適正にご活用下さる非営利目的において使用可とします。2016年2月3日 図書館友の会全国連絡会)


こんな記事見つけました

 

佐賀新聞ニュースサイト  2013年11月28日更新

 

先進図書館に視察急増 武雄市、伊万里市 

 

民間企業に委託し4月に新装オープンした武雄市図書館が従来の図書館のイメージを変えて注目を浴び、全国から行政・図書館関係者の視察が相次いでいる。・・・・